鹿島病院スタッフブログ

左儀長

  • 投稿者:鹿島病院事務局
  • カテゴリー:朝礼でのスピーチ

12月も下旬になり、正月に向けて慌しくなってきました。

私の住む、鹿島町古浦地区では毎年1月3日には

その年の干支を作りお神輿にして町を練り歩く

「左儀長」という行事があります。

この行事は12年間で関わる担当が替わります。

今回から代替わりをして20代、30代、40代が中心となり

毎晩夜遅くまで干支のお神輿を作成しています。

来年は酉年なので酉の干支を作ると思われますが、

この近隣の漁師町では鳥を嫌います。

その理由にはこんな言い伝えがあります。

『むかし、むかし、美保関にえびす様がいらっしゃいました。

えびす様は男性ですそう!恋多きお方でした。

美保関から対岸の東出雲の揖屋というところには、

綺麗なお姫様がいらっしゃいました。

そんな綺麗なお姫様を恋多きえびす様が

何もせずに放っておくはずがありません!

そこで、えびす様は、毎夜、毎夜、毎夜、

足蹴もなく毎夜一所懸命に櫂で船を漕いで、

中海を渡り対岸の溝杭姫の元へお通いになっておられました。

そして、1番鶏が朝の訪れを告げる「トキの声」をあげると

また船を漕いで美保関へ帰られるのでした。

もうすっかり、お姫のところへ通うのが日課になっていたえびす様

そんなある日、まだまだ、これからだ!!というときに、

「コケコッコー!!!」と1番鶏がトキの声をあげました

これからだ!と思っていたえびす様

「いや、いや、早すぎるだろ!?!?」と慌ててしまいます

そうです、この時だけ1番鶏が時間を間違えてトキの声をあげてしまったのです

いつもなら1番鶏が鳴く頃には

帰る支度も準備万端に整えていらっしゃいますえびす様ですが

今回は、そんな準備なんか整っているはずもありません!!汗

朝には、美保関に帰らないといけないえびす様は焦りに焦ります

急いで帰る支度をし、一所懸命に船を櫂で漕いで中海を進みます

ですが、慌てていたえびす様なんということでしょう!!

船を漕いでいた途中、櫂を海へ流してしまいます。

これじゃ船が前へ進みません

早く美保へ帰らないと!!汗そこでえびす様は仕方なく

ご自身の左足を櫂の代わりにして船を漕ぎます

早く早く美保関へ!左足で一所懸命に船を漕いで、

何とか何とか前へ前へと進むえびす様。

そんなえびす様の元に、更に衝撃的な事件がふりかかります!!

「がぶりっっ!!!!!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

なんということでしょう! えびす様の足で船を漕ぐ音につられてやってきたワニが

えびす様の美味しそうな足にいきなり食らい付いたのです!!

もちろんビックリするえびす様。こんなところでワニに食われて死んでしまっては

もう愛しいお姫様に会えなくなるじゃないかっ!!

えびす様は必死に抵抗をかさね何とかワニを退治し

何とか何とか美保関まで帰ることに成功しました!

それでも門限に間に合わなかったと思いこんでいるえびす様の元に

今度は正確な1番鶏のトキの声が聞こえてきました。

それまでえびす顔だった、えびす様、沸々と怒りがこみ上げてきます!!

鶏に騙され、お姫様と遊べず、更に足まで怪我をして曲がってしまいました

以来、えびす様は鶏を忌むものとされましたとさ』

チャンチャン♪

という言い伝えから漁師町では鳥を嫌い酉年のお神輿は作らず

何か縁起の良い物を作ってお神輿にして練り歩きます。

ちなみに今年は「亀」を作成しています。

1月3日は是非!古浦地区にお神輿を見に来てください。

ちなみにえびす様の絵はどれも立て膝になっているのは

噛まれた足を隠す為といわれています。

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